STORY
シェ・リュイは
東京 代官山生まれ
「趣味が良い」と、言いたくなる街があります。
あえて大ぜいの人を惹きつけようとはしない。おいしいものとくつろげる空間があって、
落ち着いた街並みのなかに小粋な感覚がひそんでいる-シェ・リュイの第一号店が生まれたのは、そんな代官山という街でした。
今ではさまざまなお店も増え、国内外から多くの人が集まる街になりましたが、シェ・リュイができた頃の代官山は、まだほんとうにひっそりとした住宅地だったのです。
「ガストロノミー」という
味覚の文化
“シェ・リュイ”をはじめとする各店舗の経営母体である「日本ガストロノミー研究所」は、この味覚の文化について語り合える仲間の集りをつくるため、1971年創業者平井政次により設立されました。当初、7名でスタートした当社も今では製造、販売、本社スタッフを含め250名を超えるまでになりました。私達は、このオブジェクトに共鳴できる仲間がひとりでも増えていくことが当社の発展だと考えております。私達の目指すものは、自分のイメージしている“食”のあるべき姿を具体的なかたちにしていくことです。
シェ・リュイのお菓子作り
それは本物の材料だけを使い、驚くほどの手間ひまをかけて「最高の味わい」を生み出してゆくこと。子供の頃誰もが憧れていた、夢のようなお菓子の世界。けれど大人になっても、やっぱり素敵な想い出として心の中に残っている…。そんなおいしさをお届けするならば、「パリの街かど」のようなお洒落な演出がしたい。代官山にお店をつくったのは、こうした願いもあったからなのです。石畳に流れるヨーロッパの歴史と伝統。ファッションでも、古き良きものを残しながら世界の最先端をゆく街。そしてパリには、おいしいものが街かどのそこここにあふれています。
現在のシェ・リュイの包装紙
①パティシエ(菓子)②ブーランジェ(パン)③キュイズィ二エ(料理)④ショコラティエ(チョコレート)⑤グラシエ(氷菓)
1980年代(開店して10年経ったころ)の包装紙
創業者 平井政次のおもい
革新ということは決して小手先の細工を上手にすることではありません。安易に変わることよりもまず自己を確立する、そしてしっかりと根付いた思想と技術の上に新しい味わいを創造する…私達にとって他を真似ることは、独自性を薄めることに他なりません。こうして、少年の頃から何十年も描き続けていたイメージに少しずつ近づきたい、そして何よりも自身を磨いてゆきたいと努力を続けているのです。美味しさは、絵画や音楽と同じように心を満たし、精神の糧となります。私達は心豊かな“ガストロノミー”の世界に生き、これからも力一杯取り組み続けて生きたいと考えております。幼い頃、私の家の庭に咲いていた泰山木の花を絵柄にした当社の包装紙、そこに描かれた花は、まさに今開かんとしているところです。この包装紙が出来て10年経ったとき枝の間に巣を書き加え、そして又10年経って中に小鳥が卵を5ヶ産み落としました。この卵は当社商品コンセプトそのものです。しかし、この卵はまだ雛にかえっておりません。まだまだこれから少しずつ、少年の頃の純粋でまじりけのない夢に近づいていかなければと思うものです。
取締役会長 創業者